買い物をする際や、節約、貯金をする際には、さまざまな心理が働いているという。たとえば、ポイント還元と割引。同じ数字だった場合、どちらをお得と感じるだろうか? 行動経済学に詳しいマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さんが、貯金の習慣がないという女性セブンの名物ライター「オバ記者」こと野原広子さん(64才)に、お金にまつわる“心理”をレクチャーします。【全4回の第3回。第1回 第2回を読む】
橋本さん:「ポイント」の話。次の話題、どちらが得だと思います?
【Q5】1万円の買い物をする場合、1000円のポイントがつく10%還元と、9000円で購入できる10%割引、どっちを選ぶ?
オバ記者:10%引きって割引のうちに入らない。バーゲンで10%オフに飛びつくバカはいないでしょ。その点、ポイントってなんであんなにうれしいのかね。ということでポイントに一票!
橋本さん:10%のポイント還元はうれしいけど、10%引きと聞くとどうですか?
オバ記者:しょぼく感じるわね。
橋本さん:そう。10%ポイント還元の方がうれしいと感じるかもしれませんが、実際には10%引きの方が得なのです。
オバ記者:ポイントはその店で使わなくちゃいけないから?
橋本さん:それもありますが、計算すれば一目瞭然。計算方法は別図のマッサージ店の例を見ていただきたいのですが、割引だとそのまま10%が引かれるのに、ポイントだと9.1%の“得止まり”です。
オバ記者:でも、「10%オフ」って言葉はまだ弱いように感じます。やっぱ、オフというからには「30%」は提示しろよってね。いま電子マネーでも30%還元キャンペーンとかやっているじゃない。あれには惹かれるわ。