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せっかく買ったのになぜ?「自転車に乗らなくなった」都会暮らしの人たちの事情

便利に使えると思って自転車を買ったはずなのに…(イメージ)

便利に使えると思って自転車を買ったはずなのに…(イメージ)

 手軽に移動する手段として重宝される自転車。ちょっとそこまでの買い物や、運動不足解消のために、日々利用している人も多いのではないだろうか。その一方で、都会で一人暮らしする人たちの中には、「便利だと思って買ったけど乗らなくなった」という人たちもいるようだ。春の新生活を前に購入を検討するか否かの判断基準として、「自転車生活と相性が悪かった」と言う人たちの声を紹介しよう。

憧れのクロスバイク購入も乗るのが怖くて断念

 都内のIT企業に勤務する20代の男性・Aさんは、学生時代から自転車をよく利用していた。電車で何駅もの距離を自転車で通学していたこともあり、社会人になっても当然生活に欠かせないと考えていた。

「大学時代から一人暮らしをしていたのですが、自転車は“足”として重宝していました。ママチャリですが、キャンパス内も自転車で移動していましたし、交通費の節約にもなり、生活必需品でした。社会人になった時も、自転車で通勤する気満々でした」(Aさん)

 そしてAさんは就職するとお金を貯め、念願だったというクロスバイクを購入した。

「社会人になったら、ママチャリじゃない自転車がほしいとずっと思っていました。好きな漫画の影響からロードバイクに憧れていたのですが、本格的すぎると思ったのでクロスバイクを選択。自転車屋さんで選ぶのは楽しく、どれもかっこよくて惚れ惚れしました。選んだのは、イタリアのブランドの真っ赤なもの。10万円以上する高いものでしたが、ママチャリとは比較にならないくらい軽くて走りやすい。僕は車も原チャリも乗らないんだからと、奮発して買いました」(Aさん)

 最初は快適な乗り心地に満足していたAさんだが、都会特有の事情から自転車の使い勝手の悪さを感じるようになり、次第に使用する機会が減っていったという。

「気に入って、最初は都内から横浜のほうまで走りに行ったりしていたんですが、だんだんと乗るのが怖くなりました。まず都内だと、車の交通量が多い場所も多い。幅寄せする車や、いきなり停止する車には注意していました。風が強い日はフラッと揺れますし、車を運転する人にとっても自転車は怖いだろうなと。

 また道路がドラックの車輪の跡などで削れていることもあって、クロスバイクくらいの細いタイヤだと、その溝にハマってしまって危ないこともありました」

 そしてある“事件”をきっかけに、ほとんど乗らなくなったという。

「駅のそばの駐輪場に停めていた時、2時間ほどして戻ってみると、タイヤが器用に抜かれていたことがあったんです。自転車仲間から、サドルやライトが盗難に遭うという噂は聞いていたのですが、まさかタイヤが……とびっくりしました。盗難に遭うかも、とビクビクしながら乗るのはストレスになるので、高い自転車は考えものだなと(笑)。結局、あまり乗らなくなったので、郊外に引っ越した弟にあげました」(Aさん)

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