意外と厄介な鍵の問題
メーカーに勤務する30代の女性・Bさんは数年前、都内への引っ越しをきっかけに、通勤や散策用にと小径自転車を購入した。
「職場まで数駅なので、通勤に使うにしても立派な自転車であると必要はないし、都内散策でも使いたいと思って買いました。小さい自転車なら手軽そうだし、都内の自転車散策コースを紹介する雑誌を見て、都会暮らしにぴったりだと思いました」(Bさん)
Bさんは水色で「かわいい!」と思った小径自転車を購入。しかし今は、「買わなくてよかった」と思っているという。何故なのか。
「まず、面倒だったものに、鍵の問題がありました。自転車屋さんに、『タイヤやサドルが気軽に取り外されて持っていかれてしまうことがあるから、全部を引っ掛けられるようなワイヤーロックがいい』と教えてもらったので、長いものを持っているのですが、それが意外に重たくて。なんなら、自転車で出かける時にいちばん厄介な荷物がソレです。
また当たり前ですが、タイヤが小さいので長距離には向きません。荷物も乗らない。後付けでかごを取り付けましたが、あまり重たいものを乗せると、本体の自転車が小さいので不安定になる。スーパーへの買い物でもリュックを背負う羽目になります。さらに言うなら、うちの周りは坂が多いのですが、下り坂の時に、体が前に吹っ飛びそうになって怖かった経験があります。のんびり川沿いの自転車ロードを走るくらいならいいのでしょうけど、都内移動なら、シェアサイクルのポートもたくさんあるので、使いたい時に借りればいいような気がしています」(Bさん)
折りたたみの自転車、折りたたまぬまま…
折りたたみの小径自転車を購入したが、使わなくなったと言うのは、都内の商社に勤務する30代の女性・Cさんだ。Cさんはそれまでも自転車を所有していたが、悩ましいのは「駐輪問題」だったという。それを解決するべく購入した「折りたたみ」だったが、またしても駐輪問題に悩まされることになった。
「もともとクロスバイクに乗っていたんですが、駐輪場が近くにある施設ならともかく、都内のカフェやショップだと、併設されていないことが多く、ヒヤヒヤしながら道路脇に停めることもありました。マンションの駐車場に停めるのも、少し嫌だったんです。屋外に出しっ放しだと汚れるので、できれば部屋の中に置いておきたいなと。これが実家なら、車庫の中に入れておけば良かったんですけどね。
そこで、クロスバイクと遜色ない性能をもつ、ギア付きの折りたたみ自転車を買いました。折りたたみなら部屋に置いておけるし、出先でも最悪折りたためばいい。行きは自転車、帰りは電車ということも可能になると考えました。しかも折りたたんだ時に、自力で持ち運べないと意味がないなと思ったので、軽いものを選びました」(Cさん)