秋山博康 刑事バカ一代

「時計の電池を換えて」「ゴキブリが出た」…元警察官が明かす“110番珍通報”

「リーゼント刑事」こと秋山博康氏

「リーゼント刑事」こと秋山博康氏

「ウチに2~3歳の子が迷い込んできた。服は着ていない」との通報があり、重大事件かと色めきたったら迷子のワンちゃんだったこともある。開口一番、「ゴキブリが出た」と言われた時はさすがに勘弁してくれや~となった。

 電話と言えば、刑事時代にテレビに出始めた頃、ある女性から「私はがんで余命1年ですが、秋山さんをテレビで見ると元気が出ます」と電話があった。それから毎月のように短い言葉をやりとりしていたが、3年後に「これが最後かもしれません」と息も絶え絶えの着信があった。数日後、女性の娘さんから「母は他界しました。亡くなる直前『秋山さんにお礼を言うて』と言っていました」と伝えられ、柄にもなく言葉を失った。

 1本の電話から、様々な人間模様が浮かび上がるもんやな。ほなっ、また!

【プロフィール】
秋山博康(あきやま・ひろやす)/1960年7月、徳島県生まれ。1979年、徳島県警察採用。交番勤務、機動隊を経て刑事畑を歩む。県警本部長賞、警視総監賞ほか受賞多数。退職後は犯罪コメンテーターとして活動。YouTube「リーゼント刑事・秋山博康チャンネル」が話題。最新刊『リーゼント刑事 42年間の警察人生全記録』(小学館新書)が3月31日に発売予定。

※週刊ポスト2022年3月18・25日号


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