コロナ禍でテイクアウトやデリバリーサービスへの需要が高まっているなか、“ちょっとした贅沢”として高級弁当を楽しむ人も多い一方、期待して購入した高級弁当にガッカリさせられた……という声もあるようだ。どういう“ガッカリ”があったのか、体験者に話を聞いた。
都内の企業に務める会社員・Aさん(30代男性)は、3000円ほどする焼肉弁当で失敗した時のエピソードをこう話す。
「そこそこ有名なお店の焼肉弁当です。ある時、会社で遅くまで仕事をしなければならない時に、上司が特別にその3000円くらいする弁当をデリバリーしてくれたんです。それがとてもおいしくて、気に入ったので、帰宅途中の乗換駅近くのデパ地下でも売っているということを知って、妻と子供にその焼肉弁当をお土産として買って帰ったことがありました。
いざ持ち帰って家でその弁当を食べたんですが、会社でデリバリーしたときと明らかに肉の質が違う。デリバリーとデパ地下では違う肉を使っているのかもしれないし、日によって何か違うのかもしれない。あるいは、同じ肉を使っていても、調理方法が違うのかもしれないし、作ってから時間が経っていたのかもしれない。そのあたりの真相は不明ですが、間違いなくデパ地下で買った弁当は“ハズレ”だったんですよね。3000円払ってこれか……と、本当にショックでした」
デパ地下の弁当は買う時間帯によって“アタリ・ハズレ”が出てしまう可能性があることを指摘するのは、外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏だ。
「デリバリーの弁当は注文が入ってから作るケースが多いですが、デパ地下の弁当は基本的に作り置き。その日の朝に、セントラルキッチンや別店舗で作った弁当をデパ地下の売り場に持ち込んで売っている場合、作ってからかなり時間が経っていることもあります。特に夕方くらいに売られている弁当だと、作ってから何時間も経過していて、お肉も固くなっていることがある。そういった部分で、デパ地下の弁当が、デリバリーよりおいしくないと感じてしまうことは多々あると思います。夕方にデパ地下で買うお弁当は、気をつけたほうがいいかもしれません」
おかずは最高なのに、ごはんが微妙…
お弁当と言えば“おかずとごはん”の組み合わせが基本である。しかし、おかずは素晴らしいのに、ごはんがイマイチという失敗パターンもあるようだ。小浦氏はいう。
「たとえば“ローストビーフ丼”や“海鮮丼”といった丼ものの場合、ローストビーフや海鮮はおいしいのに、ごはんが明らかに固いとか、パサついているというケースがあります。それまで弁当を販売していなかったお肉や海鮮の専門店が、コロナ禍で弁当を販売するようになった場合、ごはんのほうのノウハウが追いついておらず、微妙な感じになっていることがあるんです。弁当販売の実績があるかどうかを調べておくと、失敗する確率が下がると思います」