ちなみに前出・Iさんによれば、A学園は小中高一貫を謳うが、進級できない子もいる。「こうなると悲惨」と、Iさんは言う。
「学年によってバラつきはありますが、小学校から中学に上がれない子もクラスで3~4人います。進学基準は素行+成績ですが、合否が分かるのは6年生の12月なので、中学受験は間に合わない。3学期は“中学に上がれなかった子”として過ごすことになりますし、卒業すると交友は完全に途絶えてしまいます。残った側にしてみれば、“問題児”が消えるので、どんどん居心地は良くなるのですが……」(Iさん)
そしてYさん、Iさんが声を揃えていう最大のネックは「学費」だ。
「学費は小学校の時から年間90万円程度で、諸経費を加えれば軽く100万円オーバー。制服、ランドセル、バッグ、校内着などはもちろん、図工や音楽の授業で使う用具、体操着、上履きなど、とにかく何から何まですべて指定の品を買わされますが、これがいちいち高いんです。いま考えたら本当にバカらしいな、とも感じます」(Yさん)
「私は小学1年生から片道1時間以上かけて通学していました。通学時間ももったいなかったですし、定期代だけでもいくらかかったことか……」(Iさん)
メリットは十分にあるものの、見逃せない“デメリット”もあるということ。たとえ子どもが合格しても、成長に合わせて柔軟に対応する姿勢が親には求められそうだ。