日本のSNSブームを牽引した存在で、一世を風靡したSNSが「mixi」。3月3日には、2004年のサービス開始から18周年を迎えた。自分のページの訪問者がわかる足跡、趣味や趣向でつながるコミュニティ、日記やメッセージ機能での交流……。今でこそ当たり前になったSNSだが、当時としては画期的で、若い世代を中心に多くの人が夢中になった。あれから10数年。Twitter、Facebook、Instagramなどが台頭し、すっかりSNSを取り巻く様相は変わったが、それでもなおmixiを根強く支持し、今も使い続ける人たちがいる。色褪せないmixiの魅力とは何か、現役ユーザーたちに聞いてみた。
コロナ禍でSNSも“原点回帰”
「2011年の東日本大震災の時、メールや電話がつながなくてもmixiでは連絡が取れました。mixiのメッセージで友達の安否確認をしたことをよく覚えています」
そうしみじみとmixiについて語ってくれたのは、IT企業に勤務する30代女性・Aさんだ。mixiを始めたきっかけは、大学時代に流行っていたという単純な理由だったというが、開始してからすぐ生活に欠かせないものになった。
「同じ趣味の人とつながることが便利で、世界が広がりました。男性アイドルが好きな私にとっては、仲間をつくる画期的なツールでした。ライブに参加した後は、渾身のレポを長文で書いたりして。コミュニティでは、グッズやチケット譲渡や交換もできました。地方に遠征して朝からグッズ売り場に並び、mixiで出会った全国各地のファンたちとお土産を交換したことも。リアルでもつながれたのは本当にうれしかった」(Aさん)
そんな全盛期のmixiを知るAさんも、時代とともにTwitter、Facebook、Instagramに移行していったが、今は“原点回帰”してmixiがメインになっているという。転機となったのは新型コロナウイルスの感染拡大だった。
「家にいる時間が長くなって、最近のSNSに疲れてきたなと思った時、ふとmixiのコミュニティが心地よかったことを思い出して久々にログインすると、まだコミュニティが動いていました。程よい距離感で同じ年代くらいの人と、ゆるくつながることができて楽しいです。いろいろなSNSがありますが、Twitter は炎上や論争の場にもなりがちだし、Facebookは実名でリアルな知り合いが多くて面倒くさい。インスタのキラキラ感はいまだに慣れない。TikTok は追うのがだるいです(笑)。
でも、mixiは平和でほのぼのしている。特にコミュニティに所属しているという意識が、まるでサークルや部活みたいです。サイトのデザインにあまり変更点がないのもいい。安心感があり居心地のよさがmixiの魅力だと感じます」(Aさん)