ユーザーの高齢化が逆に心地よい
途切れることなくmixiを続けている人もいる。メーカーに勤める40代男性・Bさんは、リアルで知っている友人がだんだんログインしなくなったり、退会してしまった現在でも細々と続けている。mixiならではのメリットがあるという。
「周りはみんなmixiをやらなくなりましたが、案外それが心地いいんです。会社の愚痴や暗い感情を日記に吐き出せる。身バレしたら嫌なので、念には念を入れて、非公開にしています。たとえTwitterで裏アカウントを作っても、何かあったら怖いですし、愚痴を吐くには向いていない。別にmixiじゃなくてもいいじゃないかと思うかもしれませんが、ネット上に日記形式で長文をかけるのは魅力的で、気持ちを文章に投稿するだけで楽になれます」(Bさん)
とはいえ、さすがに誰ともつながりがないのは味気ないと感じたBさん。リアルの友人ではなくmixi内の同年代の人々と交流を深めている。30代や40代以上の限定のコミュニティの存在が大きいようだ。
「40代以上が交流するコミュニティが人気です。私も書き込むことがありますが、みんなけっこう自己満足的でいい。昔のTwitterや2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)みたいな雰囲気です。『お風呂に入ってくる』『これからご飯作って子供と食べる』『娘が卒業式だった』など……。アスキーアートもちらほら。生活感があっていいんです。
トピックによっては、『おはよう』『こんにちは』『こんばんは』とあいさつから入るものもあり、アットホームな雰囲気が好き。40代や50代が独り言を吐くトピックもあります。mixiは高齢化が進んでいる印象ですが、それが味になって癒しの場になっていると思います」(Bさん)
“黒歴史”の日記はタイムカプセルのよう
過去の恥ずかしい日記をあえて掘り出して懐かしむ人もいる。人材紹介会社に勤務する30代男性・Cさんは、久しぶりにログインしたmixiのプロフィールや日記に驚いた。それはまるで「タイムカプセル」を開ける感覚だったという。
「大学時代の友人と悪ふざけで、『mixiにログインして見せ合おう』ということになりました。軽いノリでしたが、これが実に面白いんですよ。当時の自分のプロフィールを見て『痛い』と笑ったりして。
当時、好きな作家に影響を受けていて、日記がポエム調なのも恥ずかしかったですね。文体も似せていて友人と爆笑しました。mixiは“青春のあの時”を共有できる貴重なタイムカプセルです」(Cさん)