「損だったのは子供の頃だけですが……」と語るのは、8月31日生まれのトモミさん(30代/女性)だ。
「小学生の頃はクラスの子を呼んで誕生日会とかやるじゃないですか。でも私の誕生日は夏休みの最終日で誕生日会どころでなく、せっせと宿題をやっていた記憶ばかり。宿題を手伝ってもらったのを誕生日プレゼント代わりにされたこともありました」(トモミさん)
誕生日ネタの“鉄板”は2月29日。4年に1回しか誕生日はこないが、1972年2月29日生まれのルイさん(50代/男性)は誕生日がその日で良かったという。
「友達に『お前は今年、誕生日ナシ!』とからかわれたり、イヤなこともありました。けれども、絶対に覚えてもらえます。冗談で『4年で1歳しか年を取らない』とか、話すネタに詰まった時は誕生日の話をすると盛り上がるので、親には感謝しています」(ルイさん)
「娘が不憫」と嘆くワケ
ヒロシさん(40代/男性)は、現在9才の娘が4月1日生まれ。日本の学校では一学年は4月2日生まれから翌年の4月1日生まれで構成されるため、同学年で一番遅い誕生日となる。
「出産予定日は4月半ばだったのに、4月1日に生まれてしまったんです。知り合いの病院だったので『4月2日生まれにして』と言ったら、『それは無理』とあっさり却下。想定していたより学年が1つ上になりました。2才で保育園に入れましたが、同じクラスにはすぐに3才になる子もおり、体格差は明らか。運動会でも学芸会でもウチの子だけ出来ないことが多く、娘はいつも泣いていました。
友達との誕生日会もなかなか実現しません。4月1日は春休み中で、学年も変わるタイミングなので声を掛けにくく、いつまで経っても出来ずじまい。エイプリルフールということもあり、“今日が誕生日”だと言っても本気にしてもらえないこともあるようです」(ヒロシさん)
これだけでもかなり気の毒だが、そこにヒロシさん個人の事情が拍車をかける。
「今年4月の転勤から単身赴任が決まりました。娘も事情は理解していますが、誕生日の日から父親がいなくなるのが辛いようで、妻と転勤の話をするとメソメソと泣き出してしまうんです。思い返せば、新年度初日はどうしても帰りが遅くなるので、まともに誕生日を祝ってあげられたことがほとんどなかった。
娘の将来を想像すると、免許を取れるのもお酒を飲めるようになるのも同級生たちの間で最後になる。仕方ないこととはいえ、不憫に思うのも事実です」(ヒロシさん)
……このように、密かに誕生日の日付に不満を抱いている人は少なくないもよう。普通に祝ってもらえる人は、もう少し感謝しても良いのかもしれない?