街中のいたる所で当たり前に使えるようになった「キャッシュレス決済」。財布を持たなくても、スマホ一つで買い物や飲食を楽しめる使い勝手の良さで、一気に普及した印象だ。そんなキャッシュレス決済の機能のひとつとして重宝されているのが、「割り勘」機能だ。個人間で送金ができるので、現金よりも正確かつスムーズに集金が可能となった。キャッシュレス決済の普及で“割り勘”事情はどう変化しているのか、ユーザーの声を聞いた。
払う方も請求する方もラク
メーカーに勤める30代の男性・Aさんは、先日飲み会の時に初めてキャッシュレス決済の「割り勘」機能を使い、「なんて便利なんだ!」と感動したことを振り返る。
「もともとスマホは、割り勘の時に計算機機能をよく使っていましたが、PayPayやLINEPayといったキャッシュレス決済アプリを使うようになると、誰か1人がまとめて払えば、後から1人あたりを割り勘した代金をそのアプリに送金するだけ。大人数でお店に行くことは減りましたが、3~4人でも十分便利です。飲みに行く前に、割り勘用にわざわざお金を下ろす必要ないのも大きな魅力です」(Aさん)
割り勘時の支払い方が変わっただけではなく、「端数」の扱いも変わったという。
「これまでは端数の扱いが何かと面倒でした。『小銭がない』と言い出す人、『大きいのしかないから両替して』など、割り勘の時は何かと足並みが揃わなかった。自分が幹事の場合、1円まできっちり請求するとケチな人みたいになるし、自分の財布に小銭が増えるのも嫌だったので、時と場合によって100円以下や10円以下の端数を切り下げし、キリがいい額を請求していました。でもキャッシュレスなら、そういった問題とは無縁。公平かつスピディーで、現金で財布が膨らむこともない。最高です」(Aさん)
「端数はいいよ」だと借りを作った気分になる
IT企業に勤務する30代の女性・Bさんは、旧友との交流時に、皆がキャッシュレス決済を使っていたことに驚いたという。
「大学時代のサークル仲間と再会し、結婚式の2次会で久しぶりに飲みましたが、いざ会計になると割り勘で『〇〇Payでいい?』とキャッシュレスの名前が飛び交っていました。昔は現金オンリーだったのに。サークル仲間の数人と旅行に行くことになった時も、遠く離れた友人に旅行代金を払うのに、すぐに送金できる。銀行と違って手数料もなくて、便利ですよね」(Bさん)
デートの際もキャッシュレスを積極的に活用しているBさん。男性から会計時の「〇〇円でいいよ」と言われないためにも有効な手段だという。
「例えば会計金額が4400円だとして、『2000円でいいよ』とか言われるのを避けたいんです。もちろん多く出してくれるのはありがたいけど、それくらいで借りを作った気分になるのが嫌。割り勘するならきっちり端数まで割り勘したほうが気持ちがいい」(Bさん)