メリットは「居住空間を広くとれる」こと
人材紹介会社に勤務する20代女性・Bさんはバス・トイレ別の物件に住んでいたが、引っ越しにあたって立地とキッチン設備を優先し、その他の条件を譲歩。3点ユニットバスの物件に住むことにした。だが、その決断が裏目に出てしまった面もあるという。
「住みたかった場所だったのと、料理が好きなのでキッチン設備が充実は外せない条件で、予算の都合でバス・トイレ別にはこだわらないことにしたんです。不動産屋さんからは、3点ユニットバスのメリットとして、まず家賃が安いこと、あとは、すべてがひとつの場所にあるので居住空間が広くなる、という2点を説明されました。
内見してみると、私の見た部屋では、洗面台が風呂の隣にあるといってもバスタブの上に半分かかるように設置されているタイプではなくて、ちゃんと独立しているタイプ。物件の平米数の割には確かに居住空間も広く感じ、案外悪くないと思いました。ただ実際に住んでみると、やはりゆったりとバスタイムを楽しむというわけにはいかない。あとネックだったのは収納面で、トイレットペーパーや掃除用の洗剤などを置くスペースが近くにないのは不便でした」(Bさん)
家賃は「1.5万~2万円の差」
「バス・トイレ別」にこだわる風潮に疑問を感じる人もいる。よく国内外に出張に行くというメーカー勤務の30代女性・Cさんは、ホテルの設備は3点ユニットバスが多いことから、「それにすっかり慣れました」と言い、現在の住まいも3点ユニットバス物件だ。
「個人的には一人暮らしなら、立地や間取り、設備がよければ、妥協してもいいポイントだと思います。もちろん人それぞれですが、『バス・トイレ別』にこだわりすぎて、せっかくの優良物件を見逃すのはもったいない。3点ユニットバスというと古臭いイメージがあるかもしれませんが、なかには、一周回って“おしゃれ”な物件もありますよ。デザイナーズみたいな」(Cさん)
Cさんは、家賃を節約できる点について、こう力説する。
「私が物件探しをした時の経験では、バス・トイレ別か3点ユニットバスの差で、家賃が1.5万~2万円くらい変わることもありました。1年で24万円と考えると、なかなかの差。大きなお風呂に浸かりたかったら、時々のんびり銭湯に行くという楽しみもあります」(Cさん)
住まい選びの際、家賃と設備をどう折り合いつけるか。3点ユニットバス物件についても、自分のライフスタイルと合うか合わないかを考えて判断したい。