天井と床の間に独立したスペースが存在し、はしごを上り下りする「ロフト付き物件」。その立体的な構造は、狭い部屋でも“広さ”を確保し、居住スペースを分けられるという特徴から、根強い人気を誇っている。だが、もちろんメリットだけでなく、ロフト付き物件ならではのデメリットも存在する。実際に住んだことがある人たちに“本当の住み心地”を聞いた。
酔っ払った時のはしごの上り下りは危険
人材紹介会社に勤務する30代男性・Aさんは、かねてからロフト物件に憧れを抱いており、大学卒業後、新社会人になるにあたりロフト付き物件で一人暮らしを始めた。
「大学時代にロフト付き物件に住んでいる友人がいて、屋根裏部屋のような“秘密基地感”に惹かれました。一人暮らしをするなら絶対にロフトに住みたいと思っていました」
だが、実際に住んでみると事情は異なったようだ。Aさんはロフト付き物件の現実に直面し、悪戦苦闘したという。
「とにかくはしご移動が面倒でした。ロフトで寝ている場合、まず夜中にトイレに行く時に、はしごを降りるのがつらすぎます。お腹を下している時のような緊急時は最悪。酔っ払った時も上り下りが怖い。特に下りは怖いので、酒を飲んだ日は下で寝た方がいいと思いました」(Aさん)
ロフト付き物件の魅力の1つである天井の高さは、開放感をもたらすが、一方でエアコンが効きにくい面もあるようだ。
「夏になって後悔しました。ロフト部分は、とにかく熱がこもって、暑くなりやすい。ロフトではなく下で寝るべきだと痛感しました。その分、冬はロフトの方が暖かいのですが、下の部屋は寒い……。一長一短ありました」(Aさん)
天井が高くて自分で電球交換できない
メーカーに勤務する20代女性・Bさんは、大学進学を機に上京した際、おしゃれさに惹かれて選んだのがロフト付き物件だった。
「ロフトって、なんかおしゃれな気がしたんです。ロフトで寝るのもアリだし、収納スペースとして使うのもアリ。両親が提示した予算内で収まったので、希望が叶いました。入居当初は一人暮らしの自由さも相まって、ロフト部分には何をどう置くかとか、いろいろ考えるのが楽しかったです。
最初はロフトで寝ていたのですが、だんだん上り下りが面倒になって、オフシーズンの布団や服、本屋、漫画などを置く“物置”として利用するようになりました。スペースがあるという点では重宝していましたが、やっぱり物の出し入れは大変。荷物を持ちながらはしごを上り下りするのは危なく、落ちそうになって怖い思いをしたこともあります」(Bさん)