4月4日、東京証券取引所はこれまでの「1部」「2部」「マザーズ」「ジャスダック」の各カテゴリーから、新たに「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに再編された。経済アナリストの馬渕磨理子氏は、再編で「高騰する米国株との格差の拡大もあるなかで、新市場の誕生により日本株の見直し買いには期待できる」と解説。これまで市場区分の曖昧さが原因で海外投資家から過小評価されてきた日本株が、見直される可能性が指摘されている。
では、いままで過小評価されていた企業、すなわち今後の株価上昇の可能性が見込める企業にはどのような特徴があるのか。
「プライム市場では『業績相場』の恩恵を受ける堅調な企業に注目したい。底堅い成長を遂げているものの、PER(株価収益率)で割安水準の企業は狙い目になります」
こう語る馬渕氏が注目するのは、首都圏を中心に戸建て分譲を展開するアグレ都市デザイン、中規模オフィスビル投資を手掛けるロードスターキャピタルなどだ。プラスチックバルブで市場を独占する旭有機材や合成ゴム大手の日本ゼオンも業績堅調ながらPERが低い割安銘柄だという。
また、今回の再編で「プライム入り」を目指さず、「あえてスタンダード」を選択した企業にも馬渕氏は注目する。
「条件を満たしていても『プライム市場のコストが見合わない』『内需向け事業であるから国内を見ていく』など、地に足のついた判断ができている企業には好印象を持つ投資家も多いです」
焼肉のたれで有名な調味料大手のエバラ食品工業、LPガス主力の燃料商社であるミツウロコグループホールディングスなどは「あえてスタンダード」組の注目銘柄だ。