橋本さん:キャッシュレス時代、お金を使うハードルがどんどん下がっていると感じます。
オバ記者:でも“現金至上主義”にはもう戻らないじゃないですか。結局、どううまくつきあっていくかですよね。
橋本さん:そうです。キャッシュレス化はこの先さらに加速するでしょうから。
オバ記者:(別掲写真の布製バッグを見せながら)私なんかコレよ。この底面に交通系電子マネーが付帯されたクレジットカードが固定されるよう細工しているの。駅の自動改札機を通るときも、「あいよっ」とバッグをかざせばOK。
橋本さん:便利そうですね。ぼくも使いたくなりました。
オバ記者:でしょ! お手製よ。
橋本さん:仕組みはシンプルだけどいいですね。
オバ記者:商品化狙ってるわよ。財布をポケットに入れると落としそうで心配になる。バッグに入れたら、ほかの荷物に紛れてなかなか見つからない。だから、大事なものだけを小さなこのバッグに入れておくの。持ち手が手首を通せば固定されるぐらいの長さで、手から離れないのもポイント。
橋本さん:「クレジットカードは財布に入れるのが当たり前」という固定観念を取っ払っていますね。行動経済学に「経路依存性」という言葉があって、人はとかく既存の考え方に従ってしまいがちなんですが、それを覆すバッグですね。
オバ記者:読者プレゼントしちゃおうかしら。10個ぐらいならすぐ作れますよ(笑い)。キャッシュレス時代になってから、クレジットカードは大切に財布の奥にしまっておくものというより、頻繁に使うツールになったと感じます。以前より存在感が軽くなった気がするのよね。
橋本さん:同感です。
(第2回につづく)
【プロフィール】
橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。近著に『9割の買い物は不要である』(秀和システム)。
「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみのライター。女性セブン連載『いつも心にさざ波を!』も好評。64才。
取材・文/藤岡加奈子 撮影/浅野剛
※女性セブン2022年4月28日号