テレビやネット、街中などで、しつこいくらいにCMや広告をうっとうしく思っている人もいるかもしれない。しかし実はこれは、人々の行動心理から経済活動を捉えた「行動経済学」に基づくと、効果的なものなのだという。自分にどんな心理が働いているのかを知れば、知らず知らずのうちに出ていくお金を減らせるかもしれない。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さん(65才)が、行動経済学に詳しいマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さんにお金にまつわるさまざまな心理について聞いた。【全4回の第3回。第1回を読む】
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商品名の連呼や画像の繰り返しはかなり効果的
オバ記者:ネットの広告って、けっこううっとうしいのがあるでしょ。画面を開けるたびに同じCMが流れてくると、「絶対にこれは買うもんか!」と思っちゃう。あれって逆効果じゃありません?
橋本さん:そう思われがちですが、実はアレ、効果的なんです。「ザイオンス効果」というんですが、ある画像を見る回数が重なれば重なるほど、人はそれへの愛着がわいてきて、好感度が上がっていくんです。
だから、営業の人も一度門前払いされたくらいではくじけないし、オバ記者さんの言う通り、CMが何度も流されるのにはそういう法則があるからです。毎日見かける近所の犬にだって、人は無意識に感情移入しています。あと、選挙の立候補者が自分の名前を連呼するのもこの効果を狙っているんです。