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祖父母と両親は孫が介護する時代へ 「老老老介護」が家族崩壊を招く悲劇

孫にまで介護の負担が及ぶ時代へ(イメージ)

孫にまで介護の負担が及ぶ時代へ(イメージ)

 医療の進歩によって、近い将来に「人生120年時代」の到来を予測する専門家が登場している。人生120年時代になったら家族で支え合って……と考える人もいるかもしれないが、むしろ長生きすることによって、家族関係に亀裂が入るリスクもある。定年後「あと10年(で死んでくれる)なら」と一緒にいてくれた妻が、「さらに30年(も長生き)なんて耐えられない」と、熟年離婚を切り出すケースが増える懸念があるのだ。

 2007年4月に離婚時の年金分割制度(婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割する制度)が導入された際に、熟年離婚が急増するとの予想があったが、実際にはそうはならず、婚姻期間20年以上の夫婦の離婚件数に大きな変化は見られない。

 これについては、離婚しても年金分割で受け取れるのは「元の額の2分の1」にとどまるが、夫が亡くなった時に受け取れる遺族厚生年金は「元の額の4分の3」となることが影響しているとの指摘がなされている。つまり“夫が死ぬまで待ったほうが得”と考える妻が少なからずいるとする見方だ。ただ、人生120年時代になればその前提は大きく変わる。離婚カウンセラーの岡野あつこ氏が言う。

「離婚の原因は愛情とお金です。特に男性は夫婦2人で築いた財産を『俺が稼いだ金だ』という価値観の人が多い。そんな夫に不満があっても、夫が亡くなれば妻は遺族年金で夫の受給額の4分の3が受け取れるという“希望”があったが、人生120年時代は、夫がいつまで経っても死なない。そうなったら、いっそ早く離婚しようと考える妻が増えていくのではないでしょうか」

 熟年離婚では、夫婦が別れると成人した子供たちは長年家族に尽くした母親側に付くことが多い。

「そのため、妻は『なんとかなるだろう』と決断しやすい。寿命が延びればお金にしろ愛情にしろ、妻がどこかで愛想を尽かす可能性は高くなる。当然熟年離婚は増えると考えられます」(岡野氏)

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