Wi-Fiは安定、プリンタは高性能、飲み物もフリー
仕事をするうえの設備の面でも、「やっぱりオフィスのほうがいい」という人もいる。IT企業で働く30代女性・Bさんが語る。
「家のWi-Fiが不安定で、通信が途切れることが多くて……。その点、オフィスの回線は安定しているし高速、高性能なプリンタも使いたい放題。飲み物もコーヒーやお茶がフリーですし、トイレは業者さんが清掃してくれますし。リモートワークだとコーヒー代とかもいちいち自分の負担だし、室内の温度なんかもうまく設定されている。そういった設備面を考えると絶対オフィスのほうが快適なんですよね。今考えると、恵まれたオフィス環境がモチベーションアップに大きく貢献していたと痛感しています」(Bさん)
Bさんがオフィス勤務を好むのには、設備面以外の理由もある。リモートワーク中の家事の負担について、夫ともめたことがあるという。
「私が外に働きに出ていた時は、『お前も忙しいんだから』と家事に協力的だったのに、私が在宅勤務になると態度が豹変。『家にいるのにメシ作ってないのか?』『家にいるくせに部屋が汚い』みたいな言葉が夫から出るようになり、本当にウンザリ。家にいるとはいえ仕事量は変わってないので、日中に家事をするようになると、結局その分、仕事を“残業”する羽目になる。そういったことを理解していない夫のことが大嫌いになりました。まあ、今は私も出社するようになったので、関係も元通りです」(Bさん)
妻が「もう限界、お願いだから出社して」
一方で、IT企業に勤務する40代男性・Cさんは、「できるならリモートがいい」派。しかし専業主婦の妻から懇願されたため、出社するようになったと明かす。
「通勤がなくて快適だし、リモート会議にもすっかり慣れたので、リモートワークのメリットを享受していたんですが、ある日、妻から『出社できるなら出社してほしい。毎日一緒の空間にいるのはもう限界』と言われてしまいました。
話を聞くと、私が家にいると、ちょっとした息抜きの外出でも『どこに出かけて何時に帰る』と報告しないといけない義務感が生まれるとのこと。なるほど、そんなものかと思いました」(Cさん)
リモートワークが普及したことを歓迎する人たちがいる反面、さまざまな事情からオフィスで働きたい人たちがいるのも間違いないようだ。