いよいよ新年度がスタートし、期待と不安を抱えながら新たな環境で生活を始める新社会人たち。社会に出ると学生時代の常識や価値観が通用しない局面もあるだろうが、かつて社会人デビューした先輩たちも、同じ道を辿ってきた。そういった“先輩”たちは、社会人になってどんなことに戸惑い、驚いたのか、聞いてみた。
給料は「20万円すべてもらえない」
“税金や社会保険料の重さ”を思い知ったというのは、専門商社に勤務する20代男性・Aさんだ。「20万円ももらえる!」と給料日を楽しみにしていたが、現実は非情なものだったと振り返る。
「今では、税金や社会保険料が天引きされるのは当たり前の感覚ですけど、新入社員当時は額面の『20万円』という数字しか頭になかった。学生時代にアルバイトで稼いでも月に10万円ちょっとだったので、夢の20万円台。でも、実際にもらえた手取り金額は所得税が引かれてもっと少なかった。まあこんなものかな、と思っていたのですが、翌月からはさらに社会保険料も天引きされるようになり、ショックを受けたのを覚えています。飲み会の時に2年目とか5年目の先輩の給与明細を見せてもらったことがあるのですが、住民税やら何やら、どんどん天引きされる額も大きくなっていって、想像以上に手取りが増えるペースが遅いことにもびっくりしました(笑)」(Aさん)
Aさんは、「定刻に出社する」という社会人にとって当たり前の姿勢にも、最初は慣れなかったという。
「今は出社と在宅勤務が半々なので、在宅で仕事すればいいですが、当時は100%出社でした。そして、学生時代とは違って、『ちょっとくらいの遅刻』すら許されない。社会人はそれだけ仕事に責任を持たないといけないんだと感じました。時間を守るために大切な仕事の日の前夜はお酒を飲まないなど、社会人としての生活習慣を意識するようになりました。
あと、8月になって、毎日仕事するっていうのも1年目は辛かったですね(笑)。だって、子供の頃から8月だけはまるまる1か月間ずっと休みで、遊んで生きてきたわけですよ。それがいきなり、8月に毎日稼働するなんて……。お盆休みがあるといっても、うちの会社は交代で休む制度で、せいぜい3日間。自分なりのリフレッシュ方法を見つけるまでは、キツかったです」(Aさん)
セクハラやパワハラは意外に身近だった
セクハラやパワハラが“日常”のなかにあることに驚いた人もいる。食品メーカーに勤務する30代女性・Bさんは、そういった話はドラマや漫画の中か、ごく一部の話だと思っていたが、「最初に驚いたのは、ウソみたいなセクハラ発言だった」と振り返る。