2020年4月に最初の緊急事態宣言が発令されてから2年。テレワークの普及にともない、働き方が変わり自宅でも仕事ができるようになった今、オフィスの価値が見直されている。サイボウズなど4社による働き方に関する合同調査(会社員・団体職員1435名対象)によると、テレワークも可能な働き方ができる場合の「働く場所」について、約6割が「今後もオフィスはあった方が良い」と回答している。
テレワークの普及で、通勤の負担がなくなり、オンラインで会議もできるようになったが、やはりオフィスならではの魅力があるのだろうか。リモート勤務が可能な会社でも「出社したい」という人たちに話を聞いた。
人に会わないことがストレスにつながった
前職のフルリモートワークに疲れ、あえて出社できる企業を選び転職したというのは、メーカーに勤務する30代女性・Aさんだ。オンとオフの切り替えが難しく、仕事の効率が上がりにくいことが難点だった。
「フルリモートを強いられていた時は、家の中とオンとオフをうまく切り替えられず、ストレスが溜まるばかり。私はどちらかといえばインドア派ですが、プライベートも仕事も同じ場所というのはきつかったです。そもそも家だと食事や娯楽などの誘惑も多い。結局、朝はダラダラ寝てしまい、日中の格好も適当になるなど、すっかり怠惰な生活になっていました」(Aさん)
思い切って転職したAさん。出社して人に会うようになって、生活リズムは大きく変わったという。
「まず、外に出て人に会うとなると、やっぱり洋服やメイクもちゃんとするようになります。在宅だと楽だなと思っていましたが、身なりを整えると、自分にスイッチが入るのを実感しました。人に会うのって大事だなと……。
現職では今のところ、人間関係もうまく行っています。気軽に仕事の相談ができたり、昼休みに他愛もない会話ができるのはやっぱりいい。狭い1Kの部屋に一日中こもり、1人でPCの前で仕事をしているより、人と話をすることがストレス解消にもなるなと思いました。もちろん、人間関係がストレスになることもあるとは思いますが……」(Aさん)