投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月18日~4月22日の動きを振り返りつつ、4月25日~5月6日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で12.07円高(+0.04%)と小幅ながら続伸。週足のローソク足は上下にヒゲ伴いながらも2週連続で陽線を形成。終値は引き続き13週移動平均線上を維持した。21日の日本電産<6594>の決算を皮切りに3月期企業の決算シーズンが本格化するのを前に、様子見ムードが強く、短期筋主体の相場展開のなか、米長期金利など海外市場の動向に神経質な展開が続いた。
ただ、日経平均は週初18日に下落したものの、19-21日までは3日続伸。セントルイス連銀のブラード総裁がインフレ抑制のため大幅な利上げが必要との見方を示し、米10年債利回りは2.9%台後半まで上昇する場面があった。また、決算を発表した動画配信サービス米ネットフリックス株の急落などもあったが、その他の米企業の好決算や円安進行、21日の国際通貨基金(IMF)主催討論会でのパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の発言を前にした持ち高調整の買い戻しが優勢だったようだ。
しかし、週末22日は447.80円安と大幅反落。前日の海外市場で金融当局の要人から利上げに積極的な発言が相次ぎ出て、幅広い年限で金利が上昇。注目されたIMF主催討論会ではパウエル議長が5月の0.5pt利上げなど金融引き締め加速を示唆したことで、金利が上昇し、ハイテク株を中心に幅広い銘柄で売りが広がった。こうした流れを嫌気し、日経平均の下げ幅は一時は600円を超えた。しかし、短期筋主体の相場展開のなか、一方向に傾き続けることはなく、下げ渋ると27000円は回復して週を終えた。
今週・来週の日経平均は神経質な展開か。東京市場では4月29日から実質的にゴールデンウイーク(GW)に入る。5月第1週は2日と6日の2営業日しかないが、3、4日の間には連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
IMF主催の討論会で、パウエル議長は「インフレは3月にピークがあった可能性があるが、それは当てにならない」、「適切な場合は政策を厳しくするつもりである」などと、利上げペースの前倒しを支持するような発言をした。
市場はかねてから、5、6月FOMCでの0.5ptの利上げをかなり織り込んできてはいたが、一方で、年後半にかけては引き締めペースを緩める、ないしは一部で再緩和に転じる可能性も予想されていた。しかし、上述のパウエル議長の発言でそうした見方は修正を迫れられている。市場はもはや5、6月の0.5ptの利上げは100%織り込み、6月には0.75ptの利上げを70%以上の確率で織り込んできている。一部の金融機関では、6月、7月の2会合連続で0.75ptの利上げが実施されると予想している。