ある時は、「タケノコが生えてきたからウチの裏山でタケノコ掘りしましょう!」とこれまた友人に誘ってもらい、大釜でタケノコを茹でている隣で皆で持ち寄った肉や野菜やサザエを焼いてバーベキューをし、酒を飲む。
さらには、「イカ釣りに行きましょう!」「タコ獲りに行きましょう!」などと誘っていただき、これらを獲りに行き、大漁状態。さすがに我が家だけでは食べ切れないイカやタコは、ご近所さんや馴染みの店に持っていき、「ありがとね!」と言われる。その後はこれらの知り合いや店から「この前はありがとうございました」と何かをもらったり、ちょっと一品をサービスしてもらったりする。
飲み会で知り合った人と意気投合すると「明日、ウチの庭で取れた大根を持っていきますので、唐津駅で15時ぐらいに待ち合わせしませんか!」なんて話になる。別にその人は大根農家というわけではなく、自宅の広大な庭の家庭菜園で大根を育てており、たくさん採れるのだそうです。
地縁や第一次産業従事者との関係性を大切に
……と、ここまで挙げたことに限りませんが、私は本当に周囲の人たちに恵まれて、充実した食生活を送ることができています。ただ、こうした状況に持っていくには、やはり互いに「この人はいいな」と思える関係性を作る必要があります。日々新しく出会う人と良好な関係を築き、お誘いをいただいたら参加し、さらに仲を深める。こうしたことの積み重ねで様々な食べ物をもらったり、さらには催しに誘ってもらったりするようになります。
唐津では毎年11月2日~4日に、ユネスコ世界遺産「唐津くんち」が開催されます。唐津っ子にとっては正月以上に大切な行事で、年末年始には帰省しなくても、この時期だけは帰省するという人もいるほど。くんちの時は、名家の人は自宅に人々を招き、豪華な料理を供し、親睦を深める習慣があります。
地元の人と仲良くなっているとこうした場に「お呼ばれ」して、こちらも手土産に酒を持っていき、交流を深める。物価の高騰が続く中でも、互いに助け合う精神でみんなが笑顔になれる。こうした地縁や第一次産業従事者との関係性を大切にしておくと、充実した生活が送れます。