定年まで身を粉にして働いた貯蓄で、地方に移住して優雅な田舎暮らしを満喫──そんな老後を夢見ている人は少なくないかもしれない。実際、コロナ禍によるリモートワークの定着によって、地方へ移住する人も増えている。2020年に実施された、移住を希望する地域類型別の調査によると、地方都市を挙げる割合が68.5%と相変わらず根強い人気。次いで農村が前年の17.9%から22.0%へと4.1ポイント増加。農村を希望する年代は40代が27%といちばん多かった。
だが、実際に地方移住するとなると、自然環境や生活面での苦労やトラブルは多い。移住者経験者たちの声に耳を傾けてみよう。
徳島・53才・女性のケース
徳島は暖かいと思っていましたが、標高が高いので寒暖差が激しいです。冬は予想以上の寒さ。移住したての頃は水道管にタオルを巻いてはいたものの破裂してしまいました。あちらこちらで破裂をするので、水道屋さんを待っているのに結構、時間がかかります。ちなみに、うちの場合は2日でしたが、ご近所では1週間待たれたかたもいらっしゃいました。
山形・61才・女性のケース
毎年、梅雨明けの時期になると、ヘビが窓のサッシの隙間を通り抜けて入ってきて脱皮するんです。ヘビの皮はお金持ちになるから縁起がいいともいわれていますけど、朝起きたときにそこら中に脱皮した皮を目にしたときといったら。何年たっても気持ちがいいものではありません。
高知・32才・男性のケース
田舎暮らしでようやく電車通勤のラッシュからも解放されると思いきや、毎朝、1車線だけの道は大渋滞。おまけにガソリン代も高い。いまじゃ満員電車が懐かしくもあります。