2008年5月にスタートした「ふるさと納税」の市場規模が急成長を続けている。人口減少による税収減の緩和や地方と大都市の格差是正を目的に実現した同制度は、発足時の受入額が81.4億円で低迷していたものの、2015年度から急上昇に転じ、2020年度実績では約6725億円と前年度比約1.4倍となった(2021年発表の総務省データによる)。そんなふるさと納税は、今後どこまで成長するのか。
「2021年度は前年以上の伸びを示して、おそらく8000億円以上に達すると弊社では予想します」
そう話すのは、ふるさと納税サイト『さとふる』広報の井田尚江さんだ。
「雨の日はふるさと納税の利用が増えるんです。それと似た効果がコロナ禍による巣ごもり需要にはあり、コロナ禍の2020年度にはふるさと納税受入額が一気に増えました。2021年度もコロナ禍が続き、旅行も帰省もできない分、ふるさと納税のお礼品で旅行気分を楽しむ家庭も増えてきたように思います。しかも寄付金控除のための申請も年々簡単になってきており、ふるさと納税制度を利用する人がどんどん増えていきそうな情勢です」(井田さん・以下同)