ジャーナリストの大西康之氏は、マスク氏の「日本好き」は過ぎ去ったものだと見ている。
「もう日本には興味がないんじゃないかと思います。一時期、トヨタに出資してもらったり、パナソニックに電池を作ってもらったりしていたので、その頃は日本にも来ていたし、おそらく興味を持ってくれていたのでしょう。
日本のアニメや食文化は好きでも、日本の技術に対しては『もういいよ』って感じだと思います。寂しい話ではありますが、今の日本は、マスク氏のスケールに全然ついていけていない」
電気自動車の開発だけでなく、ロケットや地下トンネルの開発にも力を注いでいる。4月14日に提案したツイッター社の買収も、紆余曲折の末に実現。その買収額は日本円で5.6兆円という巨額なもので、世間を驚かせた。大西氏はマスク氏の思惑をこう分析する。
「マスク氏の眼には、ツイッターの経営は全然なっていないように映っているのでしょう。彼のように人類を救いたいという考えが根本にあって、そのために人類を宇宙に飛ばすような発想を持っている人から見ると、すごく粗が見えるのでは。
『俺にやらせれば勝てるのに』という感じだと思います。そして、彼のその読みは圧倒的に正しいんでしょうね(笑)。結論が見えてまっすぐにそこに向かう。周りは大変ですけれどなんだかんだついていくというのは、“未来感”があって面白いのでしょう」(大西氏)
マスク氏の壮大な夢は、終わりを知らないようだ。