新型コロナウイルス感染拡大にともなうまん延防止等重点措置や緊急事態宣言が解除され、飲食店の営業時間もコロナ前の状況に戻りつつある昨今だが、まだ完全に客足が戻ってきたとは言い難い。テレワークの普及などで、以前ほどの頻度で外食しなくなった人も増えており、コロナ前と比べて営業時間を短縮している飲食店も少なくないようだ。
そうした中で、お笑い芸人の小籔千豊による飲食店の営業時間に関する発言が、話題となった。小籔は4月25日放送のMBSラジオ『小籔・笑い飯の土020』で、〈ラストオーダー1時30分と書いてる店に1時20分に行って、“もう終わりました”と言われたらめちゃくちゃ腹立つねん〉とトーク。小籔はタクシーに乗ってとある飲食店に行った際、ラストオーダー10分前だから大丈夫かと思っていたが、店員に「すみません、今日は終わりました」と言われたのだという。
ラストオーダー前に入店したのに断られてしまい、怒りを覚えた小籔に対し、ネット上では、〈飲食店は(他業種もそうだけど)提示してある営業時間をちゃんと守って欲しい〉、〈ラストオーダー一時半って、書いてあるなら、それは店が守るべきルールだと思う〉などと肯定的な意見もあれば、〈設定時間があっても変更するのは店の自由かと〉、〈ラストオーダー10分前に行く人の気がしれません〉と否定的な意見もあり、賛否両論となっている。
飲食店のラストオーダーについて、外食産業に詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「大手のチェーン店であれば、基本的にラストオーダーの時間の前なら、入店を断られることはほとんどないと思います。ラストオーダーの時間に近ければ近いほど、店員がラストオーダーの時間と閉店の時間をしっかりと告知するのが基本ですし、もしかしたら“できれば断りたい”というような空気が漂うこともあるでしょう。
一方で、個人経営の店の場合、客の入り具合を見てラストオーダーの時間を早めることはよくある話です。ただ、早めに閉める場合は、看板を“準備中”にしておくとか、暖簾を下げるとか、そういったことをしておくのが一般的です。それでも入ってきたお客さんに対しては“材料がなくなってしまった”などと断るケースもあります。また、どんなお店でも臨時休業というものもあって、それを事前に把握するのは難しい。確実に入店したいなら、来店前に電話で確認するしかないでしょうね」