超大型台風が来た時にすぐ近くまで浸水
ここまで川沿いの物件に住むメリットを挙げてもらったが、その反面、デメリットと感じることもあるようだ。トシアキさんが悩んでいるのは渋滞だ。
「我が家は川を挟んで東京と神奈川の県境にあり、車の往来が極めて頻繁な場所。橋の周辺は年がら年中渋滞していて、車で出掛ける際は本当にウンザリします。新たに橋が掛かることはまずないでしょうから、渋滞は永遠に続くということ。川で行く手を遮られるので、道路は渋滞しますよね。
それから、水上バイクで爆音を響かせて走り回る輩がいて、あれは何とかして欲しいです。たまになので我慢していますが、しょっちゅう来るようになったら、本気で引っ越しを考えるレベルです」(トシアキさん)
ケンタロウさんにも深刻な悩みがある。
「ウチの近所の河川敷は、週末ともなるとバーベキューをやる人が大量発生しますが、これが最悪。たびたびテレビに取り上げられたことで監視が厳しくなり、ゴミのポイ捨ては減りましたが、立ちションしたり、ベロベロになって吐いたり、住民はみんな迷惑しています」(ケンタロウさん)
物件の問題かもしれないが、ヒロタカさんにも不満はある。
「毎日ではありませんが、たまに川が臭うことがあります。それから蚊や虫が多いような気がします。もっとも、同じマンションでも高層階の人は“部屋で蚊を見たことがない”と言っていたので、高さの問題かもしれませんが……」(ヒロタカさん)
コウゾウさんは数年前、危うく家を失うところだった。
「2019年に超大型台風が来た時は、我が家のすぐ近くまで水に浸かりました。私は納得ずくで引っ越しましたが、マンションが建っている場所は、洪水のハザードマップは真っ赤っ赤。3日で500ミリ以上の雨が上流で降ると、河川が氾濫し、最大で3週間近く水が引かないそうで、大雨が降ったらジ・エンドです。川の近くは地盤が緩い場合もあるようで、購入するならそのあたりは十二分にチェックしたほうが良いと思います」(コウゾウさん)
災害のリスクは非常にシリアス。色々な魅力とデメリットがあったら、とりあえずハザードマップの確認だけは怠らない方が良さそうだ。