花輪さんは、給料の増額も見込めないいま、支出を抑えるにはまずは手持ちのものを活用し、中古品の利用を念頭に置くといいと言う。
「ほしいものがあったら、新品をすぐ買おうとせず、まずはメルカリなどのフリマサイトを見てみると、似たような商品が割安で手に入ることがあります。
私は最近、子供の習い事のために電子ピアノとバイオリンをとてもお得に購入しました。子供の教育関連費を節約することはできませんが、習い事など、長く続くかどうかわからないものに最初から高いお金をかけるのはもったいない。中古品を上手に活用すれば心置きなく使い倒せて、途中でやめても悔いが残りません。
新品で購入した場合は大切に使い、不要になったらメルカリなどで売ることを考えてみてください。意外といい値段で売れることがあります」
支出を抑えるための節約だけでなく、不要なものを売って資金を確保することも、物価高騰から逃れようのない状況では、とても重要だ。
「使っていないブランドもののバッグがあれば、思い切って手放すのもいいですね。バブル時代に買ったものも丁寧に使って傷みがなければ、そこそこの値段で売れます」
またウクライナ侵攻により、ダイヤモンドの相場にも大きな影響が出ている。世界のダイヤモンドの3割はロシア産。世界各国の経済制裁でロシアの鉱山のものがシャットダウンされ、相場が高騰しているのだ。
「戦争などの有事では、持ち運べる財産として貴金属が重宝されることもあり、価格が上昇します。買う方にはダメージですが、売るには絶好のチャンス。金もプラチナもダイヤモンドも、高額買い取りが期待できるいまが売りどきです」
必要と感じたものは安く手に入れ、必要がなくなったら速やかに手放す。この循環が無駄を生まず、節約への流れを作る。これは日本でも取り入れられそうだ。
【プロフィール】
花輪陽子さん/外資系銀行を経てFPに。2015年から夫の仕事の転勤でシンガポールに移住し、永住権取得。『ホンマでっか!?TV』などテレビ出演多数。
取材・文/山下和恵
※女性セブン2022年5月26日号