定額料金を払うことで、製品やサービスの提供を一定期間利用できる「サブスクリプション」、通称“サブスク”。買い物に出かける必要がなく、自宅で楽しめるサービスも多いため、コロナ禍の巣ごもり需要を背景に利用者が急増中だ。サブスク振興会コミュニケーション理事の上ノ山慎哉さんが説明する。
「サブスクは、『Amazonプライム・ビデオ』などに代表される、定額制で見放題の動画配信サービスなどの人気を受け、2019年頃から徐々に広まり出しました。そこへきて、コロナ禍によって外出自粛に。家の中で楽しめる音楽配信や動画配信、買い物に行かなくても、定期的に食材を届けてくれるサブスクサービスの需要が急増しました。
古くからある、新聞や牛乳の配達サービスも実はサブスク。つまり、日本人には昔からなじみの深い購入システムだったため、受け入れられやすかったともいえます」
“定額制”と聞くと、お得なように感じるが実際にはどうか。サブスク紹介サイト『コスパ部』代表・大和貴人さんはこう話す。
「実は、サブスクだからといって、すべてがお得とは言えません」(大和さん・以下同)
「定額で使い放題ならお得なのですが、食品や服など、物を取り扱うサービスに関しては注文できる数に制限がかかるため、コスパのいいものが少ないのが現状です」
つまり、動画や音楽の配信サービスのような、決まった金額で好きなだけ視聴できるものはコスパがよく、「月に何回まで」と条件設定があるサービスでは、必ずしもお得とはいえないのだという。
さらに、サブスク以外の方法で安く購入できる手段があれば、サービス自体を使う必要はないと、節約アドバイザーの丸山晴美さんは言う。たとえば、安売りの店を知っているのなら、直接店舗へ足を運んだ方が、金額的には安く済んでお得だ。
「サブスクは使う目的と利用する期間など、自分なりの条件を決めておくのがおすすめです」(丸山さん)