お金が貯まる人と貯まらない人を分ける習慣のひとつに、“ムダな支出の積み重ね”がある。たとえば定額制のサブスクリプションサービスは、たとえ少額でも使っていないのなら“浪費”になる。貯金ゼロ歴ウン十年の女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、自身の体験を告白する。
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「なんでここで足し算を間違えるのかな」と中学の数学教師から「19点」のテスト用紙を返された過去を持ち出すまでもない。キチンとしたことが大の苦手で、その結果、今日まで無貯金人生を送ることになったのだけど、それにしても月々お金を垂れ流すことはないじゃないか、と自分で自分に腹立たしくなることがある。
たとえば、「1か月のお試し期間は無料」。月々1000円以下でテレビ局と契約したら、過去に放送した番組が見られるというアレよ。「あら、じゃ、あのバラエティー番組も、過去の歌番組も見られるのね」と、住所・メールアドレス・パスワードを打ち込んで契約。もちろん、無料期間だけ見て、ちゃっかり解約する下心だったのよ。
なのに月日が経つのは早いもので、あっという間に無料期間は過ぎ、そもそも契約したことすら忘れて半年、1年。思えば、こうして自動引き落としされているものがいったいいくつあるのか。ちょっとばかり得してやろうなんて、欲をかいたばっかりに……。
水道の水が出っぱなしになっているのを見ると月々払いの垂れ流しが思い出されて、「ああ、ああ」と身悶えするけれど、かといって解約の手続きをしないのはパスワードが思い出せないから。ならパスワードを再登録し直せばいいのに、「明日やろう、明日やろう」と先延ばしにして何年も過ぎてしまっているのは、パソコンの前にキチンと座って、キチンとしたことをするのがものすごくイヤだから。少ないお金が消えるのとどっちがイヤかと自分に問うのもすごくイヤで、影も形もないものに浪費し続けている。
……なんて言うとビックリされるかもしれないけれど、「あ、私も実はそう!」とすごくうれしそうに告白する人も、私の周りにけっこういるのよ。