裁判所がまとめる「司法統計」を見ると、離婚申し立て理由の上位に毎年入っている「浪費癖」。今回は、出産後に「自分の趣味にばかり浪費するようになった夫」を持つ妻のケースから、その対策を考えてみたいと思います。
38歳の朋美さん(仮名、以下同)は、大手商社マンに勤める夫と、9歳の息子がいます。共働きで、港区・芝浦のタワーマンション住まい。夫はハイスペックでルックスもよく、ハリー・ウィンストンの婚約指輪とホテルオークラでの豪勢な結婚式で、周囲から羨ましがられていたそうです。
子供が産まれるまでは、海外旅行やミシュランガイドの星付きのお店での食事などに頻繁に出かけていた朋美さん夫婦でしたが、出産後に一変。子供中心の生活にストレスが溜まったのか、夫が、自分の趣味を一気に増やし、浪費が激しくなったといいます。朋美さんはこう語ります。
「子供が産まれてしばらくしたら、夫がいきなり『十分遊んだよね、お母さんになったんだから、もう楽しむ必要はないよね』って言い出して……。しかも、自分はそれまでやっていたゴルフに加えてキャンプや釣り、ダイビングを始めて、どんどん道具を買い始めたんです」
体育会系の夫は、“男同士の付き合い”を大事にする義理堅いタイプで、友情>自分の趣味>食事>子供>妻という優先順位でお金を使っているそうです。友達との飲み会には必ず参加して、後輩にはおごる一方、朋美さんが欲しがる化粧品やバッグは「まだ前のが使えるでしょ」とスルー。
出産後、一時は専業主婦になっていた朋美さんですが、食費など最低限の生活費しか渡されず、自分の洋服などはそれまでの貯金からやりくりしていました。しばらくしてそれも厳しくなり、復職したそうです。
「自分で稼いだぶんはだいたい教育費と、最低限の洋服くらいで消えます。生活が苦しいわけではないのですが、夫は服もどんどん新しく買っているし外でいろいろと遊んでいるからか若々しくて、私はどんどん老け込んでいくから、悲しいです」(朋美さん)