キャリア

「唐津で1万人ロックフェスをしたい!」夢を実現させた消防士の熱意と行動力

KSCには奥田民生やPuffy、SHISHAMOや真心ブラザーズらが出演予定

KSCには奥田民生やPuffy、SHISHAMOや真心ブラザーズらが出演予定

僕が思いついたアイディアで本当に街が賑やかになるのか

 そんな地道な活動を続けていたとき、2020年7月に、後に今回の音楽&キャンプフェス「KSC」の運営をしてくれることになる株式会社VILLAGE INC.の橋村和徳社長と繋がり、会食の場で「唐津ミュージックコミッション」構想の話をさせていただきました。

 さらにその構想をみんなに知ってもらうためには、地域の音楽業界の方々と知り合う必要がある。そこで地元の音楽事情にとことん精通している、唐津のミュージシャン・山崎幸治さんに相談し、市内のライブハウス行脚、音楽関係者との会食をセッティングしてもらいました(現在、山崎さんはボランティアスタッフとして、KSCの運営に携わってくれています)。

 同時に、これはもっと横につながる必要があるなと思って、「よこづなの会」を主催しました。これは、唐津の音楽シーンの方々と知り合う場、繋がる場です。音楽のジャンルは問わず、音楽が好きな人たちとどんどん交わっていくようになりました。

 僕は消防士をやりながら、「ミュージックコミッション」と「よこづなの会」の両輪を使って、唐津で1万人ロックフェス開催を目指す!と言い続けました。そうした中、唐津で何回か音楽イベントを展開したのですが、市役所でも市内でも「なんか音楽好きの消防士がいる」との認知が徐々に高まってきていました。

 そして、2021年4月に「未来づくり研究会発表会」が市役所で行なわれ、僕は「音が楽しいまち唐津~唐津ミュージックコミッションの可能性と価値~」と題する発表をして、市長や市役所の幹部たちに、音楽を通じた町おこしの意義をあらためて訴えました。

 僕が思いついたアイディアで本当に街が賑やかになるのか、この目で確かめたい。その景色を見てみたい。その一心でした。それから月日は流れ、2022年1月、「Karatsu Seaside Camp」の開催情報が僕の耳に入りました。

「え?」ですよ。僕はその間、KSCに関して何も動いていないのです。市役所に橋村社長が現れ、KSCの構想を話されました。一気に点と点が繋がった瞬間でした。僕はアイディアを市に訴え続けただけで、そうしたら、それを実現できる橋村さんが現れたのです。

 2020年7月に橋村さんと話をした時に、「市役所にこんな構想があるのか」と心に留めていただいていたのかなと。そして、橋村社長が唐津市に相談されたと聞いています。さらには、唐津市長、佐賀県知事にKSC構想を伝えるため、市の理解ある部署が段取りをされたんだと思います。

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