田代尚機のチャイナ・リサーチ

ロシア株が反転上昇、ルーブル高に 経済制裁の効果が相殺される理由

モスクワの両替所ではルーブルのレートが乱高下している(5月17日。Getty Images)

モスクワの両替所ではルーブルのレートが乱高下している(5月17日。Getty Images)

 ファンダメンタルズ面から説明すれば、NYダウが下落する主な要因はインフレであり、それへの対策としての金融引き締めであり、さらにその副作用である景気減速懸念である。ロシアへの制裁は国際市場に混乱を引き起こし、モノの流れを遮ったり、非効率にしたりすることで、貿易財の価格を押し上げてしまう。もう少し広くとらえればグローバリゼーションの後退がインフレを誘引し、世界に景気後退を引き起こすということだ。

 欧米のロシアへの制裁が続く限り、その副作用が自らの身に降りかかる。停戦が実現し、制裁が弱まらない限り、米国株への下押し圧力はかかり続ける。NYダウは足元でリバウンドしそうだが、過度の楽観は禁物だろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。

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