デスクトップPCはもちろん、モニター接続や姿勢改善のためにノートPCでも使っている人の多い「外付けキーボード」。どんなものを選ぶかで作業効率も変わってくるだけに、こだわりをもって探す人も少なくないだろう。だが、キーボード選びに際してはチェックポイントも多い。接続は有線か無線か、キーの配列や打鍵感など、実際に使ってみなければわからないこともある。あれこれ悩んだ末にキーボードを購入したが「失敗した!」と嘆く人たちの声から、キーボード選びの難しさを探ってみよう。
総額8万円分使ったけど…
IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、「これまで、仕事道具に特にこだわりはありませんでしたが、急にマイブームが到来しました」と振り返る。在宅勤務になって自宅の仕事環境を整備するため、同僚に相談したことが始まりだった。
「同僚に、『お金をかけるべきは、キーボード』と熱弁されました。ノートPCでも、外付けキーボードで作業効率が上がるだけでなく、『打つことが楽しくなると、自然と仕事も早くなる』と言われ、それなら僕も買ってみようと思いました」(Aさん)
職場でも自宅でもノートPCを使用するAさん。同僚の意見やネットショップのレビューを参考にし、「打ちやすい」と評判の外付けキーボードを購入したが、「相性がよくなかった」という。
「キーストロークが若干深めで、同僚もネットのレビューでも『最高』みたいな感じだったのに、僕にはイマイチでした。ノートPCのキーストロークが浅いキーボードやiPad Proに装着できるMagic Keyboardのような外付けキーボードに慣れていると、深いキーは指がひっかかるし、なんだかいつもより疲れるし、打ちにくいだけ。1万円以上したのに結局数回しか使っていません」(Aさん)
Aさんはその後も、自分に合った「理想のキーボード」を追い求めて次々と購入し、結局今では自宅に10数台ものキーボードを所有するほどになったという。
「たくさん買ってみた結果、キーボードに関しては他人の評判はあてにならないことがわかりました(笑)。面倒でもネットで探すのではなく、家電量販店に行って実際に触ってみるのが一番です。やっぱり僕にとっては、ストロークの浅いキーボードの方が良い。総額8万円くらい無駄になってしまいました。高い授業料でしたね」(Aさん)