「メインバンクはもう何年も一緒」「預金はメガバンクが安心」──そんな人はかなり損をしているかもしれない。これまで無料だったメガバンクのサービスは次々と有料化され、普通預金の金利はゼロに等しい。つまり、このまま預けておけば預貯金は減る一方だ。
政府・日銀の金融政策で金利が低くなった結果、メガバンクが新たな収入源を確保するため、それが手数料やローンの金利に跳ね返ってきているのが実情だ。しかしこうなると、メガバンクのサービスは顧客のためではなくなってくる。たとえば住宅ローンもそうだ。大手なら安心だと考えがちだが、メガバンクの住宅ローン金利は市場金利と比べて、かなり割高だ。
ネットバンクのauじぶん銀行の場合、最低金利は0.310%だが、三菱UFJ銀行の最低金利は0.475%(※2022年5月適用金利、変動金利)だ。経済評論家の上念司さんが言う。
「メガバンクに限らず、銀行で住宅ローンを組むと、借り手がローンを支払えなくなった場合、銀行側がそれを処分できる『抵当権』が設定されています。万が一借り手が死亡した場合も、銀行にリスクがないよう、借り手には残債が支払われる団体信用生命保険に加入させますから、住宅ローンに関するリスクが銀行にはほとんどありません」
そもそも、住宅ローンは銀行側のメリットが大きい。それなのに、メガバンクの場合はローン金利が割高である事実は、知っておいたほうがよいだろう。