メガバンクの投資信託、約半数が損をしている
メガバンクでの投資信託も、手数料が高く、損をしている顧客が半数を占めると上念さんは指摘する。
たとえば、グラフを見てほしい。これは主要銀行など9行と地方銀行20行の合算ベースで、46%と約半数の顧客の運用損益率がマイナスになっている。
「ただし、損をしているのは短期保有者が多く、長期保有者はプラス傾向にあるようです。とはいえ手数料が高いのは事実で、そのせいで、長期保有者だとしても、必ずしもプラスになるとは保証できません」(上念さん・以下同)
では、私たちは自分のお金を守るためにどうしたらよいのだろうか。
「まずはインターネットを使いこなすことから始めましょう。ネットバンクなら、大手銀行より各種手数料が抑えられ、預金の金利も高いケースが多いんです」
メガバンクの安全・安定性だけにこだわり、漫然とお金を託していては、目減りするだけだ。コロナの影響で働き方やライフスタイルが大きく変わるなど、いまはさまざまなものやサービス、価値観が変わりつつある。銀行も同様だ。ネットバンクは近年続々と誕生しており、メガバンクではやらない個性的なサービスを打ち出している。それを私たちも調べ、自分のライフスタイルに合った銀行を選ばないといけない。
老後の生活を支える要となるお金のことには、特にアンテナを張って変化に敏感でありたいものだ。
【プロフィール】
経済評論家・上念司さん/日本長期信用銀行、臨海セミナーなどを経て、経済評論家として活躍。主な著書に『もう銀行はいらない』(ダイヤモンド社)など。
お金の専門家・菅井敏之さん/現・三井住友銀行に勤めた後、48才で退職後は、銀行やアパート経営の経験と知識を生かして講演活動などを行う。近著に『新・お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)がある。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2022年6月9日号