「葬儀の費用負担が激増」(53歳女性・B美さん)
親戚一同が顔を合わせる葬儀の場にも、「毒親戚」が出没しやすい。
母親の葬儀で喪主を務めることになったB美さん。初めての経験で叔父に相談したことが、思わぬ結果を招いた。
「目立つことが嫌いな母は生前からこぢんまりとした葬儀を望んでいましたが、叔父は『みっともない葬儀はさせられない』と私の話に耳を貸さず、葬儀社とどんどん話を進めてしまった。予定していたのは費用70万円ほどの家族葬だったのに、叔父の強引さに抗えず、葬儀費用は200万円をオーバー。もちろん私の負担で、棺に手を合わせながら『望みを叶えられずごめんなさい』と謝るしかありませんでした」(B美さん)
葬儀相談員の市川愛氏が指摘する。
「どのような葬儀をするかは喪主の裁量ですが、葬儀経験のある親戚が口を出すケースは少なくない。最近の主流は家族葬など小規模な葬儀ですが、古い価値観の人ほど『こんな葬儀じゃ恥ずかしい』と規模を大きくしがちです。生前に故人の意向を聞いていても、亡くなってからは声の大きい人の意見が通りやすくなる。本人の意思をはっきり伝えるため、エンディングノートなどに葬儀の希望を書いておいてもらうことがベストです」