ところがそれを知った年上の伯母が「勝手なことをするな」と激怒した。
「昔から性格がきつく、些細なことで感情を爆発させる伯母から『もうウチには来ないでくれ!』と言い渡され、出入り禁止になりました。福祉の専門家からも『こうなった以上は距離を取るべき』と言われ、今も断絶状態のままです」(石渡氏)
終活を支援する一般社団法人LMN代表理事の遠藤英樹氏が指摘する。
「独り身で介護が必要になった親戚を巡るトラブルが増えています。行政が身元引受人を探す際、子供や兄弟がいなければ甥や姪に声がかかる。面倒をみる法的責任はないが、心情的に拒否できず悩む人が少なくない」
近しい間柄だからこそ、一度トラブルが生じると、余計に関係がこじれてしまうこともある。「毒親族」トラブルに巻き込まれる前に、「毒」を回避する備えが大切だ。
※週刊ポスト2022年6月10・17日号