サブスクリプションサービス(以下「サブスク」)の解約手続きをスムーズにできるようにするための改正消費者契約法が、5月25日の参議院本会議で可決され、成立した。これによってサブスク事業者には、契約解除時に必要な手続きに関する情報をわかりやすく提供する努力義務が課せられる。解約手続きが容易になることで、ユーザーの行動にも変化が起きそうだ。
定額制で様々なサービスを提供するサブスクだが、契約は自動更新が多く、解約する際には手続きを行わなくてはならない。しかし、解約ページにたどり着くまでに複数のページを経由しなくてはならなかったり、電話での問い合わせが必要だったりなど、簡単に解約できないケースもあり、問題視されていた。
1か月限定契約で“一気見”するユーザー
今回の改正消費者契約法によって、サブスクの解約へのハードルは確実に低くなる。エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「動画のサブスクでは大量の作品が配信されていますが、そのなかで一部の作品しか観ないというユーザーも少なくありません。それこそ“観たい作品を観終わったら、すぐに解約する”という形で活用しているユーザーもいます。Netflixなどで配信される海外の人気ドラマシリーズであれば、1~2年に1シーズンくらいのペースで新作が作られますが、その作品だけを観たいのであれば、新作が配信される時期だけ契約するやり方で十分。解約のハードルが低くなることは、そういったユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう」
実際に、サブスクの契約と解約を繰り返しているというMさん(40代男性/埼玉県、自営業)は、1か月限定で動画系のサブスクを契約し、その契約期間にまとめて作品を観ているという。
「継続して観ているドラマシリーズの新作が公開される月の初めに契約して、そこから計画的に作品を観るんです。60分くらいのドラマであれば、1日に3話くらいは観る。そうやって1か月を過ごして、見逃していた作品などもチェックしてから月末に解約する。ちょうど今月(2022年5月)は『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン4第1部が5月27日から配信されたので、Netflixを契約しました。月額1490円ですが、余裕で元は取れています」(Mさん)