金額は77万7800円で、そこに子供の人数に応じて加算がある。子供2人目までは各22万3800円、3人目以降は各7万4600円となるので、子のある配偶者に支給される遺族基礎年金は、少なくとも100万円になる計算だ。
遺族年金は、戸籍上の妻だけでなく、いわゆる「内縁の妻」でも受け取ることができる。これは「戸籍上の正式な夫婦でなくても、生計を共にしていた夫を亡くした妻が、生活に困らないようにするため」のものだ。
夫を亡くした後で別の人と再婚したり、事実婚の関係になった場合も「生活に困らなくなった」とみなされ、受給権を失う。
昨年、小室圭さんの母・佳代さんが、遺族年金を不正受給していたとして問題になった。これは佳代さんに内縁関係のパートナーがいるにもかかわらず、亡くなった夫(圭さんの父)の遺族年金を受給し続けていた可能性が問題視されたからだった。
65才になるまでは妻のための加算がある
遺族厚生年金は子供がいなくても受給できる一方、遺族基礎年金は未成年の子供がいなければ、受け取ることができない。
「うちは夫が自営業だから遺族基礎年金しかもらえないのに、子供がいないとダメなの?」と考える人もいるだろう。だが、安心してほしい。夫が老齢厚生年金に加入しておらず、18才未満の子供もいない妻には「寡婦年金」または「死亡一時金」がある。
一方で、18才未満の子供がおらず、遺族厚生年金しか受け取れない妻には、40才から65才になるまでの間は「中高齢寡婦加算」がある。
「中高齢寡婦加算は58万3400円で定額です。妻が65才になると自分の基礎年金が受給できるようになるので、加算は打ち切りに。ところが、65才以降でも妻の基礎年金額が少ない場合は『経過的寡婦加算』があります。ただし、昭和31年4月2日以降生まれの人は、65才以上でも経過的寡婦加算はありません」(井戸さん)
もちろん、会社員か公務員の夫が亡くなった時点で18才未満の子供がいれば、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受け取ることができる。