生命保険も、夫婦別々に入り、それぞれが保険料を払うようにした方がいい。契約者と被保険者、受取人の名義が違うと、受取時の税金のかかり方が変わるからだ。
「養老保険などは、契約者(保険料負担者)と受取人が同じであれば一時所得または雑所得となり、所得税がかかります。ところが、夫が契約者で受取人が妻や子供だと贈与税がかかり、その金額は所得税よりも大きくなることがほとんどです」(三原さん・以下同)
何より重要なのは、口座の存在を互いに共有しておくことだと三原さんは言う。
「財布や口座を分ける目的は、自分のお金を相手から隠すことではありません。収入や預金額、共有するお金の支出をお互いに見えるようにしなければ、有事の際や相続のときにトラブルを招きます」
浪費癖があったり、細かい管理が苦手なら「マネーフォワード」などの一部の家計簿アプリにすべての口座とカードをひもづけるのもひとつの手だ。
家計管理がしやすいだけでなく、預金、投資信託、保険、クレジットカード、さらにはインターネットショッピングのポイントまで、すべての財産がひと目でわかり、出入金があれば自動で記録される。
「以前、亡くなった夫がアプリで財産管理していたおかげで、遺族はスマホ1つで遺産の把握ができたというケースがありました。情報共有は簡単にできます。もし夫婦仲があまりよくなくても、子供だけに伝えておいたり、わかりやすいところにメモを残すなどの対策は忘れないでほしい」(曽根さん)
期待しないからこそ、徹底した対策を。
※女性セブン2022年6月30日号