さらに、先週発表された米国の小売売上高やニューヨーク連銀及びフィラデルフィア連銀の製造業景気指数、住宅着工件数などの景気指標は軒並み予想を下回った。最新のミシガン大学消費者マインド指数も過去最低水準だ。中国の小売売上高や鉱工業生産は予想を上回ったとはいえ、依然として低調な内容。また、上海や北京では再び都市封鎖(ロックダウン)拡大への警戒感が高まっており、最悪期を脱したとの確信も深まりにくい。
また、先週末の下落局面では、新興株よりも東証プライム市場の主力株の方が下落率の大きい銘柄が目立った。17日の東証プライム売買代金は4兆円を優に超えており、短期筋主導の先物売りだけでなく、実需筋の売りもかなり出ていたことを窺わせる。
短期筋による先物主導の下げであれば、状況次第ですぐに買い戻し、相場の反発なども想定されるが、実需筋が売り始めたとなると、相場の反発は当面期待しにくく、調整局面は長引きそうだ。しばらくは我慢強く相場の基調転換を待つべき局面とみられ、安易な押し目買いは避けた方がよいだろう。
金融政策イベントが一巡し、今週は経済指標の発表も少ないことから、金融当局の高官発言のほか、原油先物価格や米長期金利などの動向を睨んだ展開となりそうだ。米長期金利が一段と上値を試すような展開となると、リスク回避の動きが強まりそうなため、警戒しておきたい。
今週は21日に米5月中古住宅販売、22日に日銀金融政策決定会合議事要旨(4月27~28日開催)、23日に米1-3月期経常収支、EU首脳会議(~24日)、24日に5月消費者物価、5月企業向けサービス価格指数、独6月Ifo景況感指数、米5月新築住宅販売などが発表予定。