ベランダから見られているのでは?と疑心暗鬼に
PR代理店に勤務する30代・女性Bさんは、自宅の寝室の窓と隣のマンションの窓が近接する物件に住んでいる。住み始めてから早々に、誤算が生じたという。
「隣のマンションと近接していることは知っていましたが、まさかこちらから見える窓の向こうがお風呂場だったとは……。向こうの住人は窓を開けてお風呂に入るらしく、水のぴちゃぴちゃした音まで聞こえます。窓を開けなければ関係ないかなと思っていたのですが、生々しい生活の気配を感じるのは地味にストレスですね」(Bさん)
ちなみにBさんの住む部屋の窓からは、向かいのマンションのベランダも真正面に見える。こちらの方がより深刻であるという。
「人の視線や影が気になります。ちょっとした着替えでもカーテンは必須ですし、ましてやお風呂上がりはなおさら。向かいのマンションに住んでいる人の暮らしぶりも、見たくないのに見えてしまいます。向かいの住人がベランダに出ていると、こちらを見ているのではないか、と疑心暗鬼になってしまいます。神経質な人には、こういう物件は向かないと思います」(Bさん)
ベランダからの眺望は「壁」
IT企業に勤務する30代女性・Cさんは、自宅マンションのベランダから見える景色が、近接するマンションの「壁」だ。
「築浅物件で設備も充実しているけれど、ベランダからの眺めと日当たりが絶望的に悪いです。理解はしているつもりでしたが、閉塞感は否めません」(Cさん)
あまりの息苦しさに、Cさんは夫に引っ越しを持ちかけてみたこともあるが、とりあってくれなかったという。
「夫はこのマンションが気に入っているんです。昼間は仕事で家にほとんどいませんし、カーテンを閉めている夜に帰ってくるので、眺望は関係ないようで、『別に気にならないよ』という感じ。確かに設備面は充実しているので、眺望を理由に引っ越しするのは少しもったいないとも思っていますが、在宅で仕事をする気にはならないですね」(Cさん)
意外と悩ましい、住まいの眺望問題。間取りや家賃の条件面で気に入った物件があっても、実際に内見して確かめてみるポイントのひとつとなるだろう。