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相続税対策 銀行や不動産会社がすすめる「アパート建設で節税+家賃収入」の落とし穴

 親から子などへ生前贈与する際、年間110万円まで非課税になる「暦年贈与」でも注意が必要だ。相原仲一郎税理士事務所の税理士・相原仲一郎氏が語る。

「年100万円を10年間にわたって生前贈与した場合、贈与する側とされる側にその都度の“合意”がないと税務署が『1000万円の贈与を10年で分割した』とみなして贈与税を課されることがある。そのリスクを避けるには親子であっても、毎年『契約書』を結ぶなどの手続きを取ると安全です」

 相続の経験が足りない税理士に任せると、不動産評価額を実際より高く見積もり、相続税の額を多く払いすぎてしまっている可能性もある。

「複数の土地を持っているケースに限られるのであまり多い事例ではありませんが、相続税を払いすぎた場合、税務署に相続税の『更正請求』を行なえば、税金が還付されることがあります。還付請求は相続税の申告期限から5年以内です」(山本氏)

 近年は相続税の申告者の10人に1人が国税庁の「税務調査」の対象になっている。

「税務調査の際は税理士と事前に相談のうえ、当日も在席してもらうほうがいいでしょう。顧客のために戦ってくれるのが本当にいい税理士で、最も重要なのは実務の経験値。『年に何回、相続税の申告をしますか』と尋ねて、4~5件と答えれば合格です」(山本氏)

 税理士の費用は財産額の「0.5~1%」が相場となるという。経験豊富なプロに早い段階から相談することが、もめない相続の秘訣となる。

※週刊ポスト2022年7月1日号

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