また、広告や確認書面で、返品についての特約が記載されていれば、それに従って返品でき、もし返品に関する特約の記載がまったくない場合は、商品が届いた日から起算して8日以内であれば契約の申し込みを撤回できます(クーリングオフ)。契約条件の記載をよく確認してください。
なお、特定商取引法と矛盾しない範囲で消費者契約法の適用があり、同法では、商品の内容や価格など、消費者が購入の決断をするうえで重要な事項について業者が事実と異なることを述べたため、誤解に基づいて契約したなどの一定の場合には、契約を取り消すことができます。この取り消しはクーリングオフの期間が過ぎても可能です。
もし業者がドッグフードの好き嫌いや効能などについて実際と違うことを宣伝していればこの取り消しも考えられますが、あなたは、サンプルを確かめたうえで契約しているので取り消しは難しそうです。
しかし最初は喜んでも持続性がないドッグフードであったり、犬種によって向き不向きがあるとすれば、業者の商品説明によっては検討の余地があるかもしれません。その場合は最寄りの消費生活センターなどで相談してください。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座、B型。
※女性セブン2022年7月7・14日号