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【日本株週間見通し】今週はもみ合いか 企業業績の悪化に対する警戒感も

先週の日経平均は反発

先週の日経平均は反発

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月20日~6月24日の動きを振り返りつつ、6月27日~7月1日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週間で528.97円高(+2.04%)と反発。“二進一退”といった形で週間では戻りを試す展開となった。終値では13週、26週など主要な移動平均線を下回ったままの状態となった。

 週明けの日経平均は191.78円安と続落。前の週に急落していたこともあり、自律反発狙いの買いが先行したが、世界的な利上げ加速や景気後退入りへの懸念が重荷にとなり、急失速、一時25520.23円まで下落する場面があった。しかし、21日には475.09円高と大幅に反発。為替の円安進行に加えて、時間外取引の米株価指数先物が全般大きく上昇しているなか、連日の急落に伴う値ごろ感からの買い戻しが続いた。22日は96.76円安と小幅反落。一時26500円を窺う水準まで上昇したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による議会証言を控えるなか、様子見ムードが広がった。

 23日は21.70円高と小幅反発。パウエル議長の上院での議会証言を無難に通過したことで安心感から買いが先行したが、この日も26500円目前まで上昇した後に急失速した。しかし、週末は320.72円高と大幅続伸。パウエル議長は下院での議会証言で、インフレ抑制に「無条件」で取り組む意欲を示し、経済指標の悪化と相まって景気後退懸念が強まった。ただ、米10年債利回りが3%割れ目前の水準まで大きく低下し、前日のナスダック総合指数が大幅高となるなかハイテク・グロース(成長)株を中心に買い戻しが先行。資源関連株や景気敏感株の下げをカバーして、指数を押し上げた。

 今週の東京株式市場はもみ合いか。当局による積極的な金融引き締めが景気後退(リセッション)を招くとのオーバーキルへの懸念が加速しており、企業業績の悪化に対する警戒感もくすぶる中、景気敏感株を中心に上値の重い展開が続きそうだ。

 先週のパウエル議長の議会証言は、景気を犠牲にしてでもインフレ抑制を最優先にする非常にタカ派的な姿勢と捉えられ、積極的な引き締めがリセッションを招くとの警戒感が一段と強まっている。リセッションを織り込む動きが加速するなか、将来の景気動向などを映す米10年債利回りは23日に3.08%と、6月14日に付けた高値3.48%から大幅に低下。また、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)も、リセッションに伴うインフレ減速を織り込む動きから、同日に2.50%まで低下し、4月21日の最高値3.02%からの下落率は大きなものとなっている。

 こうした中、S&P500種指数の構成企業を対象とした12カ月先予想一株当たり利益(EPS)は5月末時点で年初から6%以上も上昇しており、アナリストによる企業業績悪化の織り込みはまだ進んでいない。4-6月期決算が発表される7月中旬以降に業績予想の下方修正が増えることが想定され、米国市場を中心にリセッション・企業業績悪化を織り込む動きが続きそうだ。

 一方、ようやく新型コロナ前の水準にまで戻したに過ぎない米国株と比べて、日本株については、株価バリュエーションは既にヒストリカルで見て相当低いところまで低下している。グローバルな景気敏感株とされる日本株が、世界の株式市場の下落の余波を完全に免れることはできないだろうが、下落余地は米国株に比べて限定的だろう。

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