中国では新エネルギー自動車の販売台数が大幅増
中国は自動車生産量が圧倒的に多い上、新エネルギー自動車への転換が最も進んでいる。その中国で現在、景気を回復させるための中核政策の一つとして自動車需要拡大政策が打ち出されている。
具体的には全国規模で600億元(1兆2000億円、1元=20円で換算)規模の購入税減税が実施されており、各地方は独自に新エネルギー自動車普及のための補助金政策、免税政策などを強化している。
果たして、半導体不足といった供給側の制約から政策が空回りすることはないのだろうか。
5月の国内自動車販売台数は186万2000台で、前年同期比では13%減だが、4月比では58%増であった。この内、新エネルギー自動車販売台数は44万7000台で、前年同期比では105%増、4月比では50%増であった。地方レベルの政策は5月中旬あたりから実施されており、その効果がはっきりと表れている。さらに、産業構造が大きく変化しており、新エネルギー自動車への移行が急速に進んでいる。少なくとも、中国では半導体不足による自動車供給への影響は大きくないようだ。
半導体を大量に使用する新エネルギー自動車について、最大手であるBYD(01211)の5月の新車販売台数は11万4943台で前年同期比148%増である。4月と比べても8%増えている。3月にはガソリン車の生産から撤退しており、すべてが新エネルギー自動車となっている。
また、新興新エネルギー自動車メーカーである理想汽車(02015、LI)は新車投入もあり、5月の納品車数は1万1496台で、4月と比べ7329台増加している。小鵬汽車(09868、XPEV)、蔚来集団(09866、NIO)も前年同月比でも5月比でも販売台数を伸ばしている。