投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月27日~7月1日の動きを振り返りつつ、7月4日~7月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で556.35円安(-2.10%)と反落。節目の26000円も割り込んだ。
週前半6月27、28日は合計500円超上昇し、終値で27000円を回復。6月のミシガン大消費者信頼感指数確定値の長期期待インフレ率が14年ぶりの高水準から下方修正され、インフレがピークに達した兆候が示されたことで投資家心理が改善。年金基金のリバランス(資産配分の再調整)目的の買いによる月末にかけての需給改善期待も寄与した。
しかし、週半ばからは3日続落、合計1100円超も下落し、週末には26000円をも割り込んだ。米6月消費者信頼感指数が予想以上に悪化したことや、個人消費の大幅な引き下げを要因に米1-3月期国内総生産(GDP)の確定値が予想外に下方修正されたことで景気後退懸念が再燃。週末には、米5月個人消費支出(PCE)がインフレ調整後で今年初となるマイナスに落ち込んだことがこうした懸念に拍車をかけた。リスク回避の動きが加速するなか、為替の円高が進んだことも投資家心理を悪化させた。
今週の東京株式市場は神経質な展開か。マクロ経済や企業業績に対する悪化懸念が強まるなか、需給面の下支え要因も乏しく、下値模索の展開に注意したい。
6月の月末にかけての需給改善期待がはく落。一方、7月8日には国内の株価指数に連動するパッシブ型の上場投資信託(ETF)の配当金支払いが集中している。分配金捻出に伴う換金売りで現物株・先物を併せて1兆円程の売りが出ると想定されている。8日には米6月雇用統計が控えており、ただでさえ神経質になりやすい。需給悪化のイベントを見据えて週前半から早くも売りが強まってくる可能性に注意したい。ただ、先週末にかけての大幅下落の背景には、イベントを見越したプレポジションの構築も入っていると推察され、大きな下落には至らない可能性や、8日通過後にはあく抜け感が台頭する可能性もあろう。
それでも、週末の米雇用統計を前に週を通して神経質な展開が予想される。また、投資家の関心がインフレから景気後退へと移るなか、6日には米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する6月非製造業景気指数も予定されており、買いは手控えられよう。