食料品や生活必需品の値段が高騰するなか、注目されるのが「ふるさと納税の活用」だ。ファイナンシャルプランナー丸山晴美氏が言う。
「今年は年末までずっと値上げが続くでしょう。そうなると、今から年末までに欲しい返礼品をピックアップして“予約”しておくのも手です。最近の傾向として、人気の返礼品は自治体が注文数を確保するために『予約注文』になっていることが多い。ふるさと納税自体が注目され、年末などに注文が殺到して発送が遅れるということが多発しています。それを回避するために予約注文が増えたのです」
ふるさと納税は自分が選んだ自治体に寄付をすると、実質負担額2000円を引いた残りの金額が所得税と住民税から控除される制度。控除を受けられる寄付額の上限は年収などにより異なるが、実質2000円の負担で自治体が用意する豪華な返礼品が受け取れる。
年間通していつでも寄付はできるが、年末になると駆け込み注文が殺到し、売り切れが頻発する。今年はそこに物価高が追い打ちをかける。今から予約するメリットは大きいと考えられるのだ。
「物価高で自治体の返礼品調達の負担も大きくなり、年末までに返礼品の量が減る可能性もあります。今から予約しておけば、その心配は不要です」(丸山氏)
どういった返礼品が狙い目なのか表にまとめたが、選ぶ際のポイントは何か。
「運送費の高騰や円安が影響し、輸入食品の値段が上がりました。国産の牛肉や豚肉も需要増や飼料費の高騰で値上がり傾向に。また、ロシア産の海鮮が関係悪化で入りにくくなってきています。カニ、鮭、いくら、明太子はロシアなどの外国原産のものも多いので、早めの注文が選択肢になる。
また、今回の物価高で最も値段が高騰したのは、加工食品です。小麦や油を使っている冷凍食品や、製造工程で多くのエネルギーを使ったり、包装されているものなど、人の手が入っているものほど値上がりしやすい。ソーセージやウインナー、パンといった食品やトイレットペーパーなどがお勧めです」(丸山氏)
ふるさと納税は、楽天市場の「ふるさと納税」や「さとふる」といった、ふるさと納税専門サイトか、もしくは自治体に問い合わせてカタログを取り寄せて行なう。自分の寄付限度額が知りたければ、居住する市区町村役場で教えてもらうことも可能だ。
※週刊ポスト2022年7月22日号