熱中症を防ぐためにも、暑い夏にはクーラー(本企画では冷房機能のあるエアコンを「クーラー」と表現しています)が必要だ。しかし、クーラーをつけていて“涼しい”と感じたら、それは部屋が冷えすぎている証しでもある。つまり、電気代をムダ遣いしていることに。クーラーの設定温度は、28℃(政府による推奨設定温度)にこだわらなくとも、“暑くない”程度の温度に抑えておくのが望ましいという。節約アドバイザーの丸山晴美さんはこう話す。
「クーラーの設定温度が28℃超では暑いと感じるなら、パーソナルクーラー(冷扇機)や扇風機を併用するのがおすすめ。また、クーラーの最大のメリットは広い空間を一気に冷やせる点。家族で暮らしているなら、みんなで涼しいリビングに集まって過ごし、利用台数を減らすのも手。2部屋でそれぞれクーラーを使用した場合に比べ、1台だけしか使用しない場合は、約30%の節電効果となります」
日本スポーツ協会(JSPO)の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019年)によれば、28℃は熱中症の危険が増す「警戒」のレベル。節電&節約も大切だが、まずは健康を第一に考え、28℃超設定で過ごすなら、こまめな水分補給をしつつ、クーラーの節約効果を高めるワザを試し、あくまで快適に過ごすことが大切だ。
目からウロコ!正しいクーラー節約術
【遮光カーテンより緑のカーテンを!】
室温を上げないためには直射日光の遮断が効果的。「遮光カーテンもいいですが、窓とカーテンの間に熱い空気がこもります。また部屋が暗くなり、日中から明かりをつければ電気代がかかります」(家事アドバイザーの矢野きくのさん)。同じカーテンなら、つる性植物を利用した緑のカーテンが、室外で光を遮断してくれて◎。
【熱い空気は攪拌せずに流す】
帰宅したら、まずは大きい窓から開け、部屋にこもった熱い空気を外に流し出そう。「やみくもにクーラーや扇風機をつけ、熱い空気を攪拌するのではなく、外に出すことが大切。窓を開けて空気の流れを確かめたら、扇風機を風上から風下に向けてつけましょう」(矢野さん)。