銀行口座から管理費を徴収する「未利用口座管理手数料」や「通帳発行手数料」といった制度が銀行によっては設けられ、ただ銀行の普通預金口座に預けているだけではお金が目減りしかねない時代が来たといえる。
円安、原材料費高騰によるインフレの嵐のなかでは、預金の“避難先”の検討が急務のはずだが、長年同じ口座を使い続けている人は多いだろう。
「銀行によっては普通預金の金利は100倍以上の差がつきます」
そう指摘するのは、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏だ。
「メガバンクの普通預金金利は0.001%なので、100万円預けても年間の利息はわずか10円です。それなら、高利率の銀行に移してもいいでしょう」
風呂内氏が勧めるのは、ネット銀行の「あおぞら銀行BANK支店」だ。
「あおぞら銀行のネット専用口座なら、誰でも普通預金で0.2%の金利になる。メガバンクの200倍です」(風呂内氏)
他にもネット銀行のUI銀行や楽天銀行などの普通預金金利は0.1%と高水準だ(表参照)。
預金をすべてネット銀行に移すのも手だが、ネット銀行はパソコンやスマホの操作が必須で、通帳や有人店舗がないため慣れが必要だ。既存の銀行口座を残しつつ、資金を少しずつ移していく方法もある。
「ネット銀行によっては、『定額自動入金』という毎月一定額を他行の口座から無料で移せるサービスを備えています。手数料なしに少しずつ預金を避難させることができます」(風呂内氏)